切腹ピストルズ総隊長
唯一無二のJapanese Punkではないのか。
この国の最たるオルタナティブバンドと言っても過言ではない『切腹ピストルズ』。彼らは「反近代」「日本を江戸にせよ」「ニホンオオカミの残党」を合言葉に、野良着姿で全国の祭りやフェスで狼煙を上げる演奏を続けている。
その音を目の前にした時、日本人はもちろん、老若男女の心身に染み渡る鉦、太鼓、笛、三味線の響きは、現代社会のモヤモヤを究極の爽快感と高揚感で晴らしてくれる。そんな彼らの様々な活動の精神性には、失われた魂やモノたちからの逆襲がある。
なお、『切腹ピストルズ』ついては、2018年にKAPUKIが創刊した新和文化雑誌『ぶ -江戸かぶく現代-』の巻頭にて総隊長 飯田団紅のロングインタビュー (PDF)が記されているので、ぜひお読みいただきたい。
『切腹ピストルズ』ファンにも意外に知られていない事実がある。
総隊長 飯田団紅はブランキー・ジェット・シティを始めたとした数々のロックバンドのアートワークを手掛けたグラフィックデザイナーでもあるのだ。私の知るかぎり、フリーハンドで描く和のグラフィックデザインに関しては、右に出る者はいない。彼の作品は手ぬぐいやかわら版など江戸的庶民にも精通するアイテムに刷り込まれ、祭りやフェスで私達が手にすることがでる。
今回のKAPUKI ARTS vol.3は、その飯田団紅がKAPUKIのためにオリジナルで制作したグラフィックワークを扇子をはじめとした、いくつかのアイテムに落とし込んだ。是非この機会に今なお生き残る江戸のストリートアートの真骨頂に触れていただきたい。